白金(はっきん)というのは江戸時代に洋書から翻訳された言葉でプラチナを指します。

プラチナは元素記号「Pt」、原子番号78で日本語表記では「鉑」とも書きます。
金という字が使われていますが金とはなんの関係もありません。

宝飾品としては、日常の使用に耐える硬度を確保するためにパラジウムなどと合金にされ
通常は千分率(‰)で、含有量に応じてPt1000、Pt900、Pt850などと表記されます。
ちなみに千分率では、K18(18金)は750に、K14(14金)は585となります。

当初、金と言えば純金にしろK18(18金)やK14(14金)にしろ、色はみんな金色でしたから、金より希少価値があって高価なプラチナを白金と呼んでも、なんの支障もなかったんですが、第一次世界大戦中にロシアからのプラチナの輸入が途絶えたことが原因でヨーロッパでホワイトゴールドが生まれてから話がややこしくなりました。

ホワイトゴールドは金主体で作られた銀色の合金で、プラチナより値段が安くて、軽くて硬いため、指輪はもちろんですが、ブローチやイヤリング、ピアス、ネックレスなどに適しています。
特にブローチの針の先端の鋭さや、イヤリングのバネなどはプラチナよりもはるかに長持ちします。

ホワイトゴールドの作り方は
例えば、イエローゴールドやピンクゴールドのK18なら、純金75%に赤銅など他の金属25%を混ぜて作りますが、(K24が純金になります)
赤銅などのかわりにニッケルなどの銀色(白色)系の金属25%を混ぜると銀色のホワイトゴールドになります。
ホワイトゴールドの合金率の1例をあげますと
金 75 : ニッケル 14 : 銅 8 : 亜鉛 3 となります。

ホワイトゴールドと言っても、地色はクリーム色というか、ほんのり黄色がかっていますので、通常は綺麗な銀色にするためにロジウムという金属でメッキをかけてプラチナより少し明るい色調にしてあります。

以上のように、ホワイトゴールドというのは、あくまでも金の合金なんですが
ホワイトゴールドを直訳すると白金になりますから

ホワイトゴールド = 白金 = プラチナ? となって
ホワイトゴールド = プラチナ? と、かん違いする人が多く

まぎらわしく混乱したまま現代に至っています。

ということで…、現代では誤解と混乱を避けるために、白金という言葉は宝石業界では、ほとんど死語になっています。

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K18WG ブローチ  ¥77,000,-

ホワイトゴールド製の帽子型のブローチです。
レース編みのような繊細なつくりは、プラチナでは強度がもたず
軽くて硬いホワイトゴールドならではのデザインです。



ちなみに、最近、ホワイトゴールドの製作段階で少量のプラチナを混ぜることにより、表面も断面も銀色のプレミアム・ホワイトゴールドというものが出来ました。
少し高価で、まだ、すべての製品に使えるわけではありませんが、たいへん綺麗で丈夫です。


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