緑色の宝石といえば一般的にはエメラルドが人気がありますが
日本を含むアジアでは昔から、ヒスイ(翡翠)が緑色の宝石の代表でした。
ただ、日本でヒスイ(翡翠)といえば硬玉(ジェダイト)をさしますが、中国でヒスイといえば軟玉(ネフライト)をさします。
両者は鉱物学的にも色や質感も全く違うものですが、どちらもヒスイと呼びますので紛らわしく、区別が難しくなっています。
軟玉の白色はそれなりに綺麗ですが、緑色は硬玉に比べるとくすんだ暗い色調が多いようです。
また、値段も硬玉の方がはるかに高価(1000倍以上?)で、軟玉には彫刻や置物としてならともかく、宝石としての価値はほとんどありません。
ヒスイの硬さは、宝石の硬度をあらわすモース硬度で硬玉が6.5~7、軟玉が6~6.5と、硬度7の水晶よりも低いですが
どちらも靭性(じんせい)が大変に強く、ダイヤモンドより靭性の強いサファイアを上回り、宝石の中では一番割れにくい石です。
ちなみに、靭性(じんせい)の靭という字は、「強靭な肉体」などと使われるように粘り強さのことで
たとえば、ダイヤモンドは硬度は10で一番硬くてキズは付きにくいですが、靭性が弱いために衝撃をあたえれば意外と簡単に割れることがあります。
反対にヒスイは硬度は低いので表面にキズが付くことはありますが、靭性が高いので衝撃に強く簡単には割れません。
鉄の釘は柔らかいから力を加えると曲がりますが、ガラスの棒は硬いから力を加えると折れる(割れる)というのと同じ理屈です。
そのためか、古代の遺跡などから、槍の穂先の部分にヒスイを付けたものが発見されています。
狩りの時、獲物を突いたり、獲物に向かって投げたりして地面に落ちた時などに割れにくかったんでしょうね。
ヒスイ(硬玉)の色は緑色が一番人気があり、透明度が高くてムラがなく、茶色などの混じりけのない明るく美しい緑色が濃いほど評価は高くなります。
透明度が高くて半透明の最上質のものは琅玕(ろうかん)と呼ばれ
琅玕の中でも特に透明度の優れたものは、裸石を新聞紙の上に置くと、新聞の文字が透けて見えると言われています。
良質のヒスイ(硬玉)の産地はミャンマーが有名で、中国では軟玉は産出しますが、硬玉は産出しません。
Pt ヒスイ ダイヤモンド リング ¥370,000,-
Pt900 ヒスイ 1.952ct ダイヤモンド 0.84ct
ヒスイを漢字で書いた時の翡翠という字は、翡が緑色を、翠が赤色をあらわし、緑色や青色の美しい鳥のカワセミ(翡翠)からついたものです。
ヒスイの色には緑色のほかに、赤やオレンジ色、ラベンダーヒスイと呼ばれる薄紫色や紫色、白色や黄色、黒色など、いろいろな色があります。
宝石としての評価は緑色が一番で、二番目がラベンダーヒスイ、そのほかは評価がぐんと落ちます。
日本でも戦後は欧米並みに透明度の高い宝石に人気がありましたが、近年、パワーストーン・ブームで不透明な半貴石にも注目が集まるようになりました。
非常に弱くて割れやすいエメラルドよりも、はるかに丈夫で普段にも安心して使え、しっとりとしたやさしい緑色が見る人の心を癒してくれるヒスイ(硬玉)はもっと高く評価され、広く愛されてもいいと思います。
ヒスイの石言葉 : 健康と繁栄
ヒスイの持つ力 : 霊的・精神的パワーを高める。
人間関係を円滑にする。
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