10月の誕生石のオパールには、メキシコ産のメキシコ・オパールとオーストラリア産のブラック・オパールとがあります。
宝石の中でも柔らかい方でモース硬度は5~6です。

このうちのメキシコ・オパールの品質の良いものには、ほんのり青みがかった水のように透明な地色の中に虹色の輝きがゆらめくウォーター・オパールと、赤やオレンジの地色の中に同じく虹色の輝きがゆらめくファイアー・オパールとがあります。

このオパール特有のゆらめく七色の斑(ふ)のことを遊色効果(play of color)と言いますが、品質の良いファイアー・オパールは赤やオレンジの地色の中でゆらめく遊色効果で、文字通り炎のように見えます。
値段も高く、たいへん希少価値のある宝石ですが、いつの頃からか、近年、まったく斑の出ない、遊色効果の無い赤一色やオレンジ一色の単色のオパールがファイアー・オパールとして売られるようになりました。

ドイツから始まって欧米や日本でも広まったたようですが、本来、斑の出ない単色のオパールはファイアー・オパールとは呼びません。
メキシコの原産地でも斑の出ない赤色系オパールは「赤ガラス」と呼ばれていて、高品質のファイアー・オパールとは、はっきりと区別されています。
カットも、斑が出ませんから、普通のオパールのようにつるんとした丸いカボッション・カットにしても魅力が無いので、ルビーやトルマリンのように多面体(ファセッティッド・カット)にカットされていることが多いようです。

そんなわけで…
本物のファイアー・オパールに比べれば値段は安いものの、ファイアー・オパールと名前を変えただけで、はるかに価値の低い赤ガラスが高値で売られていますので注意しましょう。

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写真が古くて申し訳ありませんが、ファイアー・オパールです。



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