先週は金製品の偽物についてお知らせしましたが、今週はプラチナ製品の偽物についてお知らせします。
プラチナ製品の偽物には銀が使われていることもありますが、ほとんどの場合はタングステン(白熱電球のフィラメントなどに使われている)という金属が使われているようです。
タングステン(元素記号W)は熱に強く、鉄が1500度ぐらいで溶けるのに対して、タングステンは3380度ぐらいで溶けます。
また、重さは鉛の1.7倍ぐらいあり、純金とあまり変わりません。
そして、非常に硬く、モース硬度はダイヤモンドの10に次いで、サファイア、ルビーと同じ9です。
最近ではその硬さやアレルギーがないことなどで指輪やペンダントなどのアクセサリーの素材として使われ、値段が千円台から1万円ぐらいと手頃なために人気を呼んでいるようです。
このタングステンの板やメダルに金メッキをして、先週お知らせしたようにK18の刻印を入れたり、銀色のむくのタングステンにプラチナのPt 850やPt 900の刻印を入れた物や、中には長方形のタングステンの板にレーザーで般若心経を刻印した物などが各地の貴金属買取店や宝飾店などの持ち込まれているようです。
タングステンは銀に比べてはるかに重いので、重量感や見た目では本物と紛らわしく、偽物を見破るには専門的な鑑別機器が必要です。
ただ、唯一、ヒントになるのが、タングステンは硬いので普通の刻印機では刻印が入れられず、レーザーで刻印を入れるか、前もってタングステン・リングの内側にくぼみを作っておき、そこにK18やPt 900などの刻印をした金属プレートを埋め込むかしていますので、このどちらかなら疑ってみた方が良いと思います。
と言っても、一般の方が肉眼で見る場合はレーザーによる刻印と、普通の刻印機の刃による刻印の区別は無理かも知れませんが…。
金属のプレート(板)が埋め込まれている場合は少し拡大すればわかると思います。
ともかく、先週の金製品と同じく、個人間でのプラチナ製品の売買はなさらない方が良いでしょう。
Ptau(ピトー) PHG007 6㎜幅 (パイロット社製ペアー・リング)
Pt(純プラチナ)50%と、au(純金)50%を合金にして、ビッカース硬度300を実現し、断面も銀色という、とても綺麗で不思議な指輪です。
※通常のPt900はビッカース硬度130ぐらい、ウルトラ・ハード・プラチナと呼ばれるものでビッカース硬度200ぐらいです。
☆.。*:・°★.。*:・°(神田)
近年の長引く不況のせいか、金製品を買い取りショップ等に持ち込んで換金される方が増えていて、私どものお店にも買い取り依頼のお客様がたびたび来店されます。
以前はその場で簡単に刻印や品質の確認をして、買取をさせていただいてましたが、最近は、これも不況のせいか、精巧な偽物が多く出まわるようになりまして、その場での即決買い取りが出来なくなりました。
つい最近も、925シルバー、千分率で925パーミル(‰)、百分率では92.5%の銀に金メッキをかけた指輪に堂々とK18(24分の18で、75%の純金を含有)の刻印の打たれた物や、同じく925シルバーの帯留めに金メッキをかけてK18の刻印を打った物などを見る機会がありました。
銀は18金よりもかなり軽いのですが、ある程度の大きな物になると、銀と言えどもそれなりの重量があって、仕上げが綺麗で金メッキがしてあると、ついだまされるようです。
あと、よそのお店に持ち込まれた物では、タングステンという金属に金メッキをしてK18の刻印を打った物が多く出まわっているようです。
タングステンは硬くて重く、金メッキがしてあると見た目も重量感もK18製品とそっくりで、区別するのは鑑別機械がないとプロでも困難です。
このほかにも、純金が90%ぐらいしか入っていない物や、純金以外の銅や亜鉛などの合金でつくった偽物の砂金(純金パウダー)なども出まわっているようです。
カエル型 K18ダイヤモンド・リング 0.12ct
くれぐれも、友人知人間で金製品を売買される時は注意が必要です。
純金や18金製品を売却しようとしている方が、絶対に信頼できる誠実な方でも、その方自身がすでにだまされて偽物を持っておられるかも知れませんから…。
宝飾店などで購入される場合も、ひとつの土地で長く営業しいていてベテラン店員のいる信用のおけるお店が良いと思います。
☆.。*:・°★.。*:・°(神田)